特定疾病保障保険診断書からみた悪性新生物の支払請求例の検討 : 不払規定の現状に関して
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概要
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特定疾病(悪性新生物,脳卒中,心筋梗塞)保障保険における悪性新生物の支払請求状況を分析するため,支払請求のため提出された診断書1000例(うち悪性新生物854例)を調査し,特に当商品の不払規定について検討した。その結果,悪性新生物における支払請求例の30%は責任開始後1年以内の早期に集中し,その中には逆選択を疑わせる事例が多いことが判明した。悪性新生物の「医学的発病」と「社会的発病」の時間のずれが逆選択の混入を許し,責任開始期前発病規定のみでは逆選択の排除は困難である。すべての悪性新生物についての不担保期間導入などの新制度が必要であることが示唆された。上皮内癌不払規定の面からは,上皮内癌という用語の臨床医の理解不足や使用上の混乱が問題とおもわれる事例が多かった。また皮膚癌不払規定に関しては,皮膚科医の診断書記載上の慣習から,診断名だけでは支払対象外である皮膚癌であると特定できない例も散見された。
- 日本保険医学会の論文
- 2000-12-27
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