浅間火山2004年噴火噴出物の鉱物粒径分布とマグマの結晶化過程
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
The September 2004 eruptions of Asama volcano, central Japan, ejected essential materials such as pumice with bread crust on September 1st and scoria on September 23rd. The textural and chemical analyses on the materials reveal the crystallization processes in a deep magma chamber and a shallow vent. Two distinct stages of crystallization can be recognized in size distributions and morphology of plagioclase phenocryst and microlite both in the pumice and scoria. First stage (range I ): In a deep magma chamber, pyroxene phenocryst began to crystallize out at 1150℃, and then pyroxene and plagioclase continued to nucleate and grow slowly. Second stage (range II) is divided into two sub-stages for pyroxene or three (range IIa-c) for plagioclase. II a: Magma left the chamber and rose slowly through the vent with ever increasing nucleation rate. II b-c: In a shallow vent beneath the crater, numerous plagioclase microlites like swallow-tailed shape precipitated rapidly under a high undercooling condition induced by decompression. Plagioclase microlite in the pumice and scoria developed a characteristic population density like a bell with a peak at the grain size of 0.003mm, which is interpreted to reflect a decrease in nucleation rate of plagioclase, in response to crystallization and establishment of equilibrium during the time duration when the magma stayed in the vent. Magmatic temperatures estimated from plagioclase-glass equilibrium decreased to 850℃ before the September 1st eruption. The similarity in crystal size distribution of the pumice and scoria implies that they had a common ascent history, although groundmass in the scoria has lower crystallinity than that in the pumice, suggesting that the magma of the Sept. 23rd eruption stood lower in the magma column than the Sept. 1st magma.
- 特定非営利活動法人日本火山学会の論文
- 2006-02-28
著者
-
高橋 康
信州大学大学院工学系研究科
-
三宅 康幸
信州大学理学部地質科学教室
-
牧野 州明
信州大
-
牧野 州明
信州大学理学部地質科学教室
-
津金 達郎
信州大学大学院工学系研究科地球環境システム科学専攻
-
高橋 康
信州大・地球環境システム科学
-
三宅 康幸
信州大学理学部
-
津金 達郎
信州大学
関連論文
- 中部日本,美ヶ原高原とその周辺地域における後期鮮新世−前期更新世の火山活動史
- 中部日本, 小諸層群における鮮新世広域テフラ : 大杭層中のU-1火砕流堆積物とZnp-大田テフラとの対比
- P-67 中部日本,小諸層群における鮮新世広域テフラ : 大田-Znp火山灰の発見(10. 地域間層序対比と年代層序スケール)
- 近畿北部,鮮新世照来層群寺田火山岩層のK-Ar年代
- 日光男体火山における約1万年前の火砕流堆積物の発見
- 長野県大門峠地域に分布する流紋岩質溶岩ドームのK-Ar年代 : 諏訪-八ヶ岳火山地域の流紋岩類の活動時期について
- 中部日本,八ヶ岳地域の火山活動期の再検討
- P08 八ヶ岳地域の火山活動ステージの新たな区分(ポスターセッション,日本火山学会2006年秋季大会)
- 井上公夫著, 「噴火の土砂洪水災害-天明の浅間焼けと鎌原土石なだれ-」, A5版, 203頁, 定価2800円(+税), 2009年3月10日, 古今書院発行, ISBN978-4-7722-3121-3 C3344
- O-162 長大測線統合的地震探査による中部日本地殻構造の解明とアクティブテクトニクスの再検討(19.テクトニクス,口頭発表,一般講演)
- O-87 京都府,神吉盆地の70mボーリングコアに含まれる大山起源の中期更新世テフラ(9.地域地質・地域層序,口頭発表,一般講演)
- 中部日本, 古期御岳火山起源の中期更新世テフラと松本盆地南縁部のテフラとの対比
- P17 中部日本,八柱火山群の火山活動史(ポスターセッション,日本火山学会2008年秋季大会)
- 井田喜明・谷口宏充編, 「火山爆発に迫る 噴火メカニズムの解明と火山災害の軽減」, A5版, 225頁, 定価4500円(+税), 2009年2月20日, 東京大学出版会発行, ISBN978-4-13-060753-7
- O-153 中部地方,フィリピン海スラブ北東地域の後期中新世以降の火成活動 : 関東山地に分布する飯盛山火山岩類の活動年代(19.噴火と火山発達史,口頭およびポスター発表,一般講演)
- S-67 火山噴火の短期間予測とその必要性 : 焼岳を例として((8)21世紀の地質学,口頭発表,シンポジウム)
- 岐阜県高原川〜神通川流域の本郷泥流の供給源 : 構成岩石からの推定(21.噴火と火山発達史)
- 長野県安曇村中ノ湯における1995年2月11日の水蒸気爆発
- 有珠山2000年噴火の推移(2000年有珠山噴火)
- B39 焼岳火山防災マップの作成と公表後の住民アンケート調査 : ハザードマップ公表後のインフォームドコンセントの重要性
- 中部日本,北八ヶ岳火山北麓に分布する前期更新世火山岩類の火山層序 : 北八ヶ岳〜塩嶺地域における大規模マグマ活動について
- 兵庫県北部の更新世上佐野単成火山の地質
- 凝集粒子を用いた噴煙高度の推定 : 浅間火山2004年9月23日噴火に伴う降下火砕物の堆積様式(2004年浅間山噴火(2))
- 焼岳火山防災マップの作成とその公表後の住民意識調査の解析
- 浅間火山2004年9月の噴出物の石基ガラスの含水量測定
- 浅間火山2004年噴火噴出物の鉱物粒径分布とマグマの結晶化過程
- 浅間火山2004年9月噴火の本質噴出物について(2004年浅間山噴火(1))
- P42 浅間火山2004年噴火噴出物の鉱物粒径分布とマグマの結晶化過程(日本火山学会2005年秋季大会)
- 赤外吸収スペクトルから鉱物の何が読み取れるか(鉱物学,ミクロからグローバルを探る(その2))
- 琵琶湖南部, 後期白亜紀野洲花崗岩体の岩相変化
- 角閃石の塩素導入機構
- 近畿地方に分布する大山最下部火山灰層hpm1
- 「日本アルプスの形成と自然環境の変遷」の趣旨
- P16 北アルプス,焼岳火山の下堀沢溶岩噴出時のマグマの噴出過程(ポスターセッション,日本火山学会2008年秋季大会)
- P15 小諸層群から読み取れる長野県東部における火山活動史(ポスターセッション,日本火山学会2008年秋季大会)
- O-198 浅間火山2004年9月1日の本質噴出物中に見られる縞状構造(18.噴火と火山発達史,口頭発表,一般講演)
- 町田 洋・松田時彦・海津正倫・小泉武栄編, 「日本の地形5 中部」
- A07 日光男体火山における12kaよりも若い火山噴出物の発見(火山の地質・形成史(1),日本火山学会2006年秋季大会)
- 御嶽地域における更新世のマグマ変遷--中部地方の第四紀火山活動の時代区分に関連させて (総特集 活火山における噴火様式の時代的変遷と長期噴火予測(下))
- O-53 高分解能衛星画像を活用したブルカノ式噴火調査 : 浅間火山2004年9月1日噴火を例に(6.高分解火山地質学,口頭発表,一般講演)
- 北八ヶ岳火山の活動年代 : 新期/古期区分の再検討について(21.噴火と火山発達史)
- S12 浅間火山2004年9月1日噴火の噴出物 : その産状と化学組成
- U-7 浅間火山2004年9月1日噴火の噴出物について
- 上信地域烏帽子岳南西麓の溶岩類のK-Ar年代
- P-136 中部地方における, 前期/中期更新世の火山活動場の変化
- O-304 烏帽子火山群における中期更新世の火山活動
- 御岳火山の中期更新世溶岩類のK-Ar年代
- カナダ北極圏の環境調査(フォト)
- 姶良Tnテフラの粒度・鉱物組成 : 広域テフラの地域的変異の一例
- 北部フォッサマグナ地域,中新統・内村累層中の高マグネシウム安山岩について
- 古期御岳火山起源の中期更新世テフラと房総半島上総層群中のテフラとの対比
- 赤外分光法による角閃石のOH含有量の定量分析
- 島根県東部中海の大根島玄武岩の年代と岩石
- 長野県北東部烏帽子岳とその周辺の地質と火山形成史
- P-153 大山火山灰層中のカミングトン閃石と普通角閃石の連晶,およびマグマの平衡温度(20.深成岩・火山岩とマグマプロセス,口頭およびポスター発表,一般講演)
- 長野県,美ヶ原高原地域における火山岩類の層序と堆積環境(6.地域地質・地域層序)
- O-196 島根半島桂島の中新世水中溶岩ドームの縞状構造の形成過程再考(24. 噴火と火山発達史)
- 325. 北部フォッサマグナ地域,中新統・内村累層中の高マグネシウム安山岩について
- 近畿北部,中新世北但層群八鹿累層火山岩のK-Ar年代
- P25 長野県東部の下部更新統,唐沢山層の粗粒砕屑物からみた美ヶ原地域の火山発達史(ポスターセッション)
- P22 南八ヶ岳,阿弥陀岳地域における火山層序の再検討(ポスターセッション)
- A44 日光男体火山における約1万年前の火砕流堆積物の発見(火山発達史と地質,口頭発表)
- P26 新期御岳火山北西麓の長大なデイサイト質溶岩の地質と岩石(ポスターセッション)
- O-303 北八ヶ岳火山における前期更新世の火山活動
- JABEE地球・資源分野の今後をめざして
- カナダ北極圏における塵の観察
- 珪酸塩岩石試料の主成分の蛍光X線分析 : 低希釈率ガラスビードの作成と迅速分析の精度
- 64. 第12次野尻湖発掘の地質学的成果
- 浅間・烏帽子火山群, 最初期-前期の火山活動史
- 携帯型CCD分光器を用いたアルカリ長石の蛍光スペクトル
- 中部日本,八柱火山群の火山形成史
- IKONOS高分解能衛星画像と現地踏査を併用したブルカノ式噴火噴出物の解析:
- B20 中の湯 1995 年水蒸気爆発の堆積物から推定される噴出経緯
- P47 長野県佐久市およびその北方に分布する岩尾層について : 高峯山周辺を起源とする岩屑なだれ堆積物である可能性(ポスターセッション)
- P49 八ヶ岳南方に分布する韮崎岩屑なだれ堆積物の給源の推定(ポスターセッション)
- 首都圏に降灰をもたらした浅間火山2004年および2009年噴火