ラットの血清および肝臓脂質レベルに対する食餌ホヤの作用(齊藤憲教授退職記念号)

概要

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食餌ホヤに食品および栄養機能があるかどうかを検討するため,ホヤを摂取したラットの血清脂質濃度および肝臓脂質音量に対する作用について検討した。ラットには基本食あるいは5%,10%,20%のホヤ筋肉部分を含む実験食を与えた。血清総コレステロール,超低密度リポたんぱく質(VLDL)+低密度リポたんぱく質(LDL)コレステロール,トリグリセリド,リン脂質および遊離脂肪酸濃度がホヤ摂取量の増加に従って徐々に低下し,20%摂取によって,基本食に比べて有意に低下した。血清高密度リポたんぱく質コレステロール濃度には4群間で差はみられなかった。肝臓トリグリセリド含量が20%ホヤの摂取により有意に低下した。肝臓コレステロールおよびリン脂質含量に4群間で有意な違いはみられなかった。血清チオバルビツール酸反応物質(TBARS)値に4群間で有意な差はなかった。肝臓TBARS値が20%ホヤの摂取により有意に上昇した。これらの結果より,ホヤ筋肉部分の摂取により血清総コレステロール,(VLDL+LDL)-コレステロール,トリグリセリド,リン脂質および遊離脂肪酸といった血清脂質の濃度を低下させる作用のあることが示唆された。