基礎看護実習におけるリフレクティブジャーナル上での教師と学生の対話の意義

概要

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本研究は、実践的思考能力育成のために基礎看護実習Hの実習日誌として学生に課した2002年度および2001年度のリフレクティブジャーナル(以下、RJ)の内容を分析・検討し、RJにおけるリフレクションに必須なスキル(以下、リフレクティブなスキル)の活用状況を明らかにするとともに、リフレクティブなスキルの修得促進のためのRJ上での教師と学生の対話の意義について検討することを目的とした。両年度の相違は、2002年度の基礎看護実習IIのRJは、教師と学生が紙面上で対話ができるように実習日数分のA4用紙を綴じた冊子型の形態であったが、2001年度のそれは実習日数分のA4用紙を綴じずに1枚ずつばらばらの形態であった。また、2002年度の学生は基礎看護実習Iに先行して開講している演習においても演習日誌としてRJを経験しているが、2001年度の学生はそれを経験していない。2002年度の実習期間中に毎日提出された64名のRJにおいて、リフレクションの必須スキルが活用されているかどうかについて、各々の定義をもとに詳細に分析・検討を行い、2001年度の58名のそれと比較した。その結果、「自己への気付き」および「分析」の2つのスキルについては、RJ上での教師と学生の対話により学生のスキルの活用が促進されていた。また、「自己への気付き」「記述・描写」「分析」の各スキルの活用が、4日間のRJのうち少なくとも1日分のRJにおいてみられた学生の割合は、前年度に比べてすべてのスキルで増加していた。以上のことから、RJ上で教師と学生が対話することによって、学生のリフレクティブなスキルの活用・修得をより促進できることが示唆された。したがって、実践的思考能力育成のためにもRJ上で教師と学生の対話を行うことは意義があると考えられた。
神戸大学の論文

基礎看護実習におけるリフレクティブジャーナル上での教師と学生の対話の意義

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