「まちの保健室」における骨密度測定実施の試み

概要

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地域に根ざした新しい看護提供システムとして「まちの保健室」事業が各地で展開されている。兵庫県看護協会では、兵庫県方式「まちの保健室」を2001年度より立ち上げ20ヶ所の地区で活動を展開している。そこで、本研究は、「まちの保健室」を訪れる地域住民各々に対して健康管理・維持の側面から「まちの保健室」のあり方について検討を行うことを目的とし、超音波法による踵骨骨密度測定と生活習慣等に関する質問紙調査を実施した。研究協力者は240名(男性39名、女性201名)であり、2回以上測定した者は25名であった。調査期間は2002年9月から2003年9月の1年間であった。得られた結果は以下の通りである。1)骨密度が健常群に属する協力者は男女合わせて53.3%であり、女性は40歳代より低骨密度群が出現していた。2)協力者の約7割が自分の骨密度に関心を抱いており、また、協力者のほとんどが自身の健康管理・維持のため等といった理由で定期的な測定を希望していた。3)骨密度と生活習慣との関連では、喫煙と過去の定期的な運動に関して関連を認めた。4)再測定者は25名であり、その約8割は何らかの生活習慣(食生活・運動習慣)に変化が見られた。「まちの保健室」において健康相談の一つとして超音波法による踵骨骨密度測定を実施したことは、住民が自らの骨の状態を認識し、食生活をはじめとした生活習慣を振り返り、見直しを行うきっかけにつながったと考える。したがって、「まちの保健室」は「相談する場」としての機能の他に「自分の健康について振り返り考える場」としての機能が重要であることが示唆された。
兵庫県立大学の論文
2004-03-31

「まちの保健室」における骨密度測定実施の試み

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