ゴール指向要求工学の体系化のための共通用語(分析・設計技法)

概要

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ゴール指向は, 要求工学の最も重要なアプローチの1つである.ゴール指向を効率的に採用しようと考える技術者のために, ゴール指向要求工学の体系化が必要である.しかし, 既存の研究は, 体系化のための共通用語がなく, したがって共通用語を用いて方法論を比較することも行っていないため, 体系化への基盤としては十分でない.本論文では, このような体系化を可能とするための共通用語を提案する.さらに, 共通用語を用いて, 代表的なゴール指向要求工学手法である, KAOSとi^*のメタモデルをそれぞれ作成し, メタモデルを利用して, KAOSとi^*の比較を行う.共通用語は, ゴールやエージェントといった, 各方法論で使用される構成単位と, 責任や操作可能化といった, 構成単位間の関係を含む.共通用語においては, ゴールとは異なる単位として「要件」と呼ばれる概念を導入する.また, 仮説の検証を通じて, 本論文で提案する共通用語が, ゴール指向要求工学の体系化の基礎となりうるかどうかを確認する.
一般社団法人情報処理学会の論文
2006-02-15