プラズマフェレーシスの肝再生に及ぼす効果の培養肝細胞を用いた実験的研究

概要

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肝再生の促進を目的とした選択的な血漿処理法を開発するための基礎的な研究として,in vitroで種々処理したラット血漿を培養肝細胞に添加し,それのDNA合成能に及ぼす影響を検討した。すなわち,閉塞性黄痘ラット,肝部分切除ラット,正常ラットのpooled plasmaを用い,膜型血漿成分分離器EVAL2A濾液,cryoprecipitate(cryo) の上清のEVAL4A濾液,cryoの沈澱再溶解液等を初代肝細胞培養の培地中に添加し,3^H-thymidineを用いてDNA合成能を測定し,血漿無添加に対する%DNA合成能として算出比較した。その結果は,黄痕血漿では67%,肝切後血漿では82%,正常血漿では92%と培養肝細胞のDNA合成が抑制された。しかし,血漿処理を行なうと,黄疸血漿のcryo4A濾液では121%,肝切後血漿の4A濾液では161%と培養肝細胞のDNA合成能が促進された。すなわち,培養肝細胞のDNA合成能は,血漿中の総胆汁酸,総ピリルピン濃度とは負の,アルブミン濃度とは正の相関を示した。冷却と膜濾過を組み合わせるこの血漿処理法は,肝再生促進の手段として有効である可能性を示した。
神戸大学の論文