ヒトにおける金属アレルギー発現のスクリーニング法としてのリンパ球刺激試験

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歯科用金属によるアレルギーの発現をin vitroでスクリーニングする方法として,リンパ球刺激試験の有用性を検討した。パッチテストを実施した410名のうち,反応結果やアレルギー経験の有無が明らかな17名を対象として,水銀やニッケル,クロム,コバルト,金,チタンとともに,強感作性化学物質のDNCB(1-Chloro 2, 4-dinitrobenzene)についてリンパ球刺激試験を行った。日常的に感作することのないDNCBでは,アレルギー発症経験がある職業的な取り扱い者1名以外は,パッチテスト,リンパ球刺激試験ともに陰性であった。また,コバルトやクロム,金,チタンでも,パッチテスト陰性者では,リンパ球刺激試験は陰性を示し,アレルギー発症経験者を含むパッチテスト陽性者では刺激指数が181以上を示した。したがって,これらのアレルギーのスクリーニングとしては,リンパ球刺激試験の有用性が認められた。しかし水銀とニッケルでは,アレルギー発症経験やパッチテストの結果と関係なく,いずれの被験者も高いリンパ球刺激指数を示した。水銀を長期間取り扱い,パッチテストが陰性である被験者が,高いリンパ球刺激指数を示した事例から,免疫寛容によるリンパ球反応でも刺激指数が高くなることを示唆した。免疫寛容を起こしやすい水銀とニッケルでは,リンパ球刺激試験は,スクリーニング法として有用ではないことがわかった。
有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
2001-01-30

ヒトにおける金属アレルギー発現のスクリーニング法としてのリンパ球刺激試験

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