発熱性ゼオライト配合歯磨剤の軽度歯肉炎の改善効果に関する研究

概要

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本研究では,従来から歯肉炎に有効性を示すことが知られている殺菌剤,血行促進剤,抗炎症剤に水を吸着して発熱するゼオライトを配合した歯磨剤の歯肉炎に対する有効性を臨床的に検討した。軽度歯肉炎を有する70名を2群に分け,試験群および対照群とした。試験群には,殺菌剤(塩化ベンゼトニウム),血行促進剤(酢酸トコフェロール),抗炎症剤(β-グリチルレチン酸)の薬効剤に加え発熱性ゼオライトを配合した試験歯磨剤を,対照群には前記薬効剤のみを配合した対照歯磨剤を,それぞれ32日間使用させた。その結果,32日間の使用で両群ともに歯肉炎の改善および歯垢付着状態の減少が認められた。また,試験群は10日目に出血を伴う炎症部位を有意に改善し32日目では出血を伴わない炎症部位を対照群と比べ有意に改善した。また,試験歯磨剤はブラッシング時の口腔内平均温度が38.5±0.7℃であり,対照歯磨剤と比較して約4℃高かった。薬効剤と発熱性ゼオライトを配合した試験歯磨剤は,対照歯磨剤より歯肉炎に対する改善効果が高かった。この作用として,発熱性ゼオライトによる温度刺激が改善効果に深く関与していることが示唆された。
2001-01-30