至適矯正力を多様な歯の移動条件から評価する研究(第 2 報) : 傾斜移動を行った際の圧迫歯根膜に出現した破骨, 破歯細胞の吸収活性による比較
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概要
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本研究の目的は, 多様な強さの矯正力による歯の傾斜移動の際の圧迫歯根膜に認められた破骨細胞や破歯細胞に対しチトクロームCオキシダーゼ活性を検出, 比較することによりこれら巨細胞の吸収活性の観点から至適矯正力を評価することである.ウイスター系ラット(120匹, 10週齢)の上顎第一臼歯に対しニッケルチタン線による0.8g, 1.6g, 4g, 8g, 18gの矯正力(NT群)またはステンレス線による8g, 18gの矯正力(ST群)を用いて1日間, 7日間, 14日間, 21日間, 28日間の頬側移動を行った後, 灌流固定と酵素活性の検出を行い, 光顕用資料を作製した.検鏡領域は最大圧迫部を含む1000μm×500μmの領域とし, そこに認められた破骨細胞および破歯細胞の反応産物の断面積をリアルタイム画像解析装置を用いて計測し, 歯の移動条件と比較検討した.1.6g以下の実験群の破骨細胞には対照群を有意に上回った反応産物の増加が1日目から認められた一方, 4g以上の実験群では7日目または14日目以降に有意な増加が認められた.しかしながら, 反応産物の最大平均値の比較ではすべての実験群の間に有意差は認められなかった.他方, 破歯細胞の反応産物は7日目以前には有意差が認められず, 14日目以降の実験群の一部に有意な増加が認められた.これらの実験結果から, 矯正力の強さと破骨細胞および破歯細胞の吸収活性との間には相関性は認められなかった.しかしながら, 0.8g程度の矯正力であっても変性組織を生じた4g以上の実験群とおよそ同程度の破骨細胞の吸収活性を誘発できる可能性が示唆された.
- 日本矯正歯科学会の論文
著者
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桑原 洋助
鶴見大学 歯学部 矯正学教室
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中村 芳樹
鶴見大学歯学部歯科矯正学教室
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桑原 洋助
鶴見大学歯学部歯科矯正学教室
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野田 晃司
鶴見大学歯矯正学
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桑原 洋助
鶴見大学歯学部矯正学教室
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吉井 妙子
鶴見大学歯学部矯正学教室
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