小臼歯抜歯を行わない下顎臼歯遠心移動による治療法について : 思春期性成長期以後の反対咬合 4 治験例での検討
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概要
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思春期性成長期以後の女子反対咬合4治験例を提示し, 小臼歯抜歯に代わる下顎臼歯遠心移動による治療法に関して, 装置, 適応症, 臼歯の遠心移動量, 他の治療法と比較した長所, 今後の課題などについて検討した.1. 使用した装置はマルチブラケット装置とdistal extension lingual archを併用したものである.2. 成人反対咬合症例での適応症の条件は以下の通りである : (1)下顎歯列弓のarch length discrepancyが小さい, (2)下顎前歯が舌側傾斜している, (3)顔貌が比較的良好, (4)上下顎第一大臼歯の咬合関係がIII級, (5)下顎第二大臼歯後方に臼歯遠心移動に必要なスペースが認められる.3. 混合歯列期を中心とした過去の報告では第二大臼歯萌出以後での大臼歯遠心移動は難しいとされてきた.本治療法により達成され保持された下顎第一大臼歯の遠心移動量は, 研究対象が第二大臼歯が萌出している成人であるにも関わらず片側平均3.4 mmと過去の報告と比べて著しく大きいものであった.4. 本治療法では下顎前歯歯軸のコントロール, 下顎臼歯の整直を伴う遠心移動が, 従来の顎外固定法などと比較し, 最小限度の患者の協力で確実かつ速やかに遂行され, 正常な前歯被蓋関係, 臼歯の緊密な咬合, 良好な顔貌を獲得することができた.
- 日本矯正歯科学会の論文
著者
-
平下 斐雄
鶴見大学歯学部歯科矯正学講座
-
桑原 洋助
鶴見大学 歯学部 矯正学教室
-
戒田 清和
鶴見大学歯学部歯科矯正学教室
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桑原 洋助
鶴見大学歯学部歯科矯正学教室
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平下 斐雄
鶴見大学歯学部矯正学助教授
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永坂 哲
鶴見大学歯学部歯科矯正学講座
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戒田 清和
鶴見大学歯学部歯科矯正学講座
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