鶴見大学歯学部附属病院矯正科の過去 25 年間における抜歯部位および頻度についての検討
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概要
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矯正治療における抜歯部位およびその頻度について, 1971∿1996年の25年間に鶴見大学歯学部附属病院矯正科で治療した患者について5年ごとに対象年度を選び調査した.抜歯の頻度は1976年, 1981年にそれぞれ77.7%, 75.2%と高い値を示し, 特に上下顎小臼歯4本抜去がそれぞれ62.5%, 66.5%とピークを示した.その後抜歯症例は減少し, 1996年では63.4%, 上下顎小臼歯4本抜去症例は38.4%であった.矯正治療の開始時期と抜歯頻度の関係については, 乳歯列期および混合歯列期から治療を開始した症例の方が永久歯列期から治療を開始した症例より非抜歯の頻度が高かった.近年, 抜歯症例が減少している要因として以下のことが考えられた : 1) 治療後の安定性について非抜歯治療と抜歯治療との間で大きな差がないことが明らかにされた, 2) 矯正装置, 材料および治療技術の進歩, などが挙げられる.一方, 日本人を対象にした今回の結果と比べ, 欧米での最近の報告に見られる抜歯症例の減少傾向は著明で, 1960年代に約80%とピークだったのが, 1990年代に入ると30%以下にまで減少している.このように抜歯症例の頻度が今回のデーターで欧米と比較して大きい理由としては, 日本人が白人に比ベオトガイの発達が弱く, 上下口唇の突出感が強いことなどがその一因となっていると考えられた.
著者
-
平下 斐雄
鶴見大学歯学部歯科矯正学講座
-
桑原 洋助
鶴見大学 歯学部 矯正学教室
-
戒田 清和
鶴見大学歯学部歯科矯正学教室
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桑原 洋助
鶴見大学歯学部歯科矯正学教室
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平下 斐雄
鶴見大学歯学部矯正学助教授
-
磯野 浩昭
鶴見大学歯学部矯正学教室
-
井本 貴之
鶴見大学歯学部歯科矯正学教室
-
戒田 清和
鶴見大学歯学部歯科矯正学講座
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