視床出血での体性感覚誘発磁界を用いた早期運動麻痺回復予測

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概要

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• 本研究の目的は,視床出血の急性期から体性感覚誘発磁界(以下,SEF)を測定し,急性期SEF所見と早期運動麻疹回復との関連性について検討することであった。対象は視床出血例9例であり,発症後72時間以内(以下,急性期)に左右の下口唇,母指,正中神経,尺骨神経,後脛骨神経への電気刺激にてSEFを測定した。神経学的検査は,急性期と発症後1ヵ月の2回実施し,運動麻疹は上田の12グレード評価法(上肢,手指,下肢)にて評価し,感覚障害は麻拝領の2点識別覚,触覚,関節位置覚を評価した。病巣領大脳半球からの正中神経,尺骨神経,後脛骨神経の急性期SEF所見で反応を認めた症例群では,発症後1ヵ月での上肢,手指,下肢の運動麻疹で良好な回復が認められたが,反応を認めなかった症例群では,発症後1ヵ月での上肢,手指,下肢の運動麻疹で中等度もしくは重度障害が認められた。これと同様の傾向は,発症後1ヵ月での感覚障害との間にも認められた。以上から,視床出血における病巣領大脳半球からの正中神経,尺骨神経,後脛骨神経の急性期SEF所見は,体性感覚機能だけでなく皮質脊襲踏機能も評価可能であり,発症後1ヵ月程度での運動麻疹回復の予後予測指標と成り得る可能性が示唆された。

• 2004-02-20

著者

• 近藤 健男

  東北大学大学院医学系研究科肢体不自由学分野

• 出江 紳一

  東北大学大学院医学系研究科肢体不自由学分野

• 中里 信和

  広南病院脳神経外科

• 菅野 彰剛

  広南病院東北療護センター

• 吉田 英樹

  弘前大学大学院 保健学研究科保健学専攻健康支援科学領域障害保健学分野

• 菅野 彰剛

  東北大学 大学院医学系研究科泌尿器科学

• 菅野 彰剛

  東北大学 耳鼻咽喉･頭頸部外科

• 出江 紳一

  東北大学医学系研究科肢体不自由学分野

• 吉田 英樹

  東北大学大学院医学系研究科

• 中里 信和

  広南病院 臨床研究部

• 吉田 秀樹

  函館赤十字病院 リハビリテーション科

• 近藤 健男

  東北大学大学院医学系研究科 肢体不自由学分野

• 菅野 彰剛

  東北大学

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