動物および人の皮膚におけるブドウ球菌の分離と菌種分布

概要

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1999年4月〜2000年12月にかけて,7種類の動物と人の皮膚に生息するブドウ球菌の分布状況について調査した.ブドウ球菌の分離率は豚100%(12/12),馬89.5%(17/19),牛100%(30/30),鶏90.1%(73/81),犬40%(10/25),マウス76.7%(23/30),鳩52.6%(20/38),人88.9%(80/90)であった.動物から分離したブドウ球菌の優勢菌種は宿主動物に関係なく,S.xylosusやS.sciuriなどのノボビオシン抵抗性の菌種であった.人の皮膚においてはS.xylosusやS.sciuriを含むノボビオシン抵抗性菌種はまれで,S.epidermidis(63.8%),S.warneri(28.8%),S.hominis(13.8%)などのノボビオシン感受性菌種が優勢にみられた.動物の皮膚に生息しているブドウ球菌フローラは,優勢菌種に関して,人皮膚と異なっていることが示唆された.本研究で,我々は人の皮膚から高頻度に分離されたS.epidermidis染色体の多型性を調べるために,パルスフィールドゲル電気泳動法を応用した.S.epidermidis菌株のフラグメントパターンに遺伝的多型性がみられた.
社団法人日本獣医学会の論文
2002-03-25