間接蛍光抗体法ならびにBartonella henselae 16S rRNA遺伝子のPCR法により診断された猫ひっかき病の3症例(短報)
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概要
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猫ひっかき病を疑う3例の患者を間接蛍光抗体法ならびに血液を用いたPCR法で診断した.患者1は, 10歳の女児で, 子猫を飼育しており, 両足ならびに手背に多数の猫のひっかき傷が認められた.右腋窩リンパ節の腫脹, 疼痛, ならびに発熱がみられ, 発症3週目のB.henselae IgM抗体価は1:32, 8週目のIgG抗体価は1:64であった.発症3週目の血液から, PCR法によりわが国では初めてB.henselae 16S rRNA type IのDNAが検出された.患者2は, 22歳の女子獣医学生で, 実験用の雄子猫に頸下部を引っ掻かれた後, 発疹, 微熱, 頸部の疼痛を認めた.受傷前のB.henselae抗体価はIgG, IgMともに陰性であったが, 発症14週目のIgGは1:512であった.患者を引っ掻いた猫からB.henselae 16S rRNA type Iが分離された.患者3は, 23歳の女子獣医学生で, 左前腕を雄猫から受傷後, 受傷部の丘診, 潰瘍, 左腋窩リンパ節の腫脹, 疼痛を認めた.受傷前39週のB.henselae抗体価はIgG, IgMともに陰性であったが, 発症2週目のIgGは1:128, 5週目は1:1, 024, 38週目は陰性であった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2000-12-25
著者
-
野上 貞雄
日本大学生物資源科学部獣医学科
-
鈴木 仁
福島県立医科大学医学部小児科
-
丸山 総一
日本大学生物資源科学部獣医学科
-
酒井 英明
福島県立会津総合病院小児科
-
酒井 英明
福島県立会津総合病院 耳鼻咽喉科
-
野上 貞雄
日本大学 生物資源科学部 獣医学科
-
野上 貞雄
金沢医科大学
-
野上 貞雄
タムラ中央動物病院
-
壁谷 英則
日本大学生物資源科学部
-
勝部 泰次
日本大学生物資源科学部獣医公衆衛生学研究室
-
鈴木 順造
福島県立医科大学医学部小児科
-
杉田 秀雄
杉田外科医院
-
鈴木 順造
福島県立医科大学 小児科学講座
-
鈴木 順造
福島県立医科大学 小児科
-
酒井 英明
福島県会津総合病院小児科
-
丸山 総一
鹿児島県立大島病院
-
勝部 泰次
日本大学生物資源科学部獣医学科獣医公衆衛生学研究室
-
鈴木 仁
福島県立医科大学
-
Katsube Y
Nihon Univ. Kanagawa Jpn
-
丸山 総一
日本大学生物資源科学部
-
勝部 泰次
日本大学生物資源科学部
-
Nogami Sadao
Department Of Veterinary Medicine College Of Bioresource Sciences Nihon University
-
Sakai Hideaki
Department Of Pediatrics Fukushima Prefectural Aizu General Hospital
-
Kabeya Hidenori
Department Of Veterinary Medicine College Of Bioresource Science Nihon University
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