神奈川県, 千葉県および埼玉県における野生ニホンジカCervus nipponの糞便内寄生虫相(寄生虫学)
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概要
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野生のニホンジカ(Cervus nippon)の糞便内寄生虫相を神奈川県(A地区), 千葉県内の2か所(BおよびC地区)および埼玉県(D地区)の計4か所で採取したニホンジカの糞便塊各30, 38, 36および30塊を用いて調査した。直接法,ホルマリン・エーテル法および蔗糖遠心浮遊法による糞便検査の結果, コクシジウムのオーシスト, 槍形吸虫卵, 羊鞭虫卵およびその他の線虫卵が検出された。A〜D各地区の検出率はそれぞれ, コクシジウム:27%, 8%, 44%, 40%,槍形吸卵:10%, 0%,0%, 37%, 羊鞭虫卵:7%, 5%, 3%, 0%,その他の線虫卵:60%11%, 14%, 7%であった。検出された感染寄生虫種には地域差が見られ, コクシジウムでは同一県内でも地区が異なると検出率に顕著な差がみられた。今回入獄共通および家畜に感染する寄生虫も検出されたが, 調査を行った地域はいずれもヒトとニホンジカの生活圏が重複する場所であることから, 野生のニホンジカとの共存のためには, このような寄生虫の存在を理解する必要性があると考えられる。
- 日本野生動物医学会の論文
著者
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野上 貞雄
日本大学生物資源科学部獣医学科
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椎橋 孝
日本大学生物資源科学部
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椎橋 孝
日本大学生物資源科学部獣医学科
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椎橋 孝
タムラ中央動物病院
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椎橋 孝
日本大学 生物資源科学部
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野上 貞雄
日本大学 生物資源科学部 獣医学科
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野上 貞雄
金沢医科大学
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野上 貞雄
タムラ中央動物病院
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島村 亜希子
日本大学生物資源科学部獣医学科医動物学研究室
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出雲 杏奈
日本大学生物資源科学部獣医学科医動物学研究室
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Nogami Sadao
Department Of Veterinary Medicine College Of Bioresource Sciences Nihon University
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