日本顎口虫幼虫のハゼ科淡水魚における寄生調査およびウキゴリに対する幼虫の感染性
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概要
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1993年6月から1996年11月にかけて, 青森県東部地域のハゼ科淡水魚3種 (ヌマチチブ, ウキゴリ, ヨシノボリ) の総計977尾を対象に, 日本顎口虫の幼虫寄生を調査した. その結果, ウキゴリ1種のみに日本顎口虫第3後期幼虫 (AdL3) の寄生を認め, 500尾中の17尾 (3.4%) から22虫を検出した. 感染は体長12cm以上の魚にみられ, しかも5・6月および9-11月の採取例にみられた. 感染実験でのウキゴリは, ノコギリケンミジンコ由来の第3前期幼虫 (EaL3) とドジョウ由来のAdL3のいずれにも感受性を示した. 個体当たり10のEaL3を経口投与した10尾中の8尾が陽性で, 投与後30日目に計36のAdL3が回収された (回収率 : 36.0%). 各10のAdL3を経口投与した10尾はすべて陽性を示し, 投与後10日目に計63のAdL3が回収された (回収率 : 63.0%). AdL3の好占寄生部位は筋肉であった. 本研究の自然感染および実験感染のウキゴリから得られたAdL3には形態学的に変性や死滅を示すものは認められなかった. 以上の成績から, ウキゴリは日本顎口虫幼虫の宿主として好適な性状を備え, さらに本線虫の自然界の生活環における第2中間宿主および待機宿主となっていることが推察された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1997-08-25
著者
-
吉川 博康
北里大学獣医畜産学部獣医病理学講座
-
小山田 敏文
北里大学獣医畜産学部獣医病理学講座
-
吉川 堯
北里大学獣医畜産学部獣医病理学講座
-
小山田 敏文
北里大学獣医学部
-
小山田 敏文
北里大学 獣医学部
-
小山田 敏文
北里大獣医畜産獣医病理
-
小山田 敏文
北里大学 獣医病理
-
工藤 上
北里大学獣医畜産学部獣医寄生虫学教室
-
小山田 隆
北里大学獣医学部獣医寄生虫学
-
吉川 堯
北里大学畜産学部家畜病理学教室
-
吉川 博康
北里大学獣医畜産学部
-
鈴木 直義
北里大学獣医畜産学部獣医寄生虫学教室
-
吉川 尭
北里大学獣医畜産学部
-
吉川 尭
酪農学園大学家畜微生物学教室
-
吉川 尭
北里大 獣医畜産
-
Yoshikawa H
Kitasato Univ. Aomori Jpn
-
小山田 敏文
Department Of Veterinary Pathology School Of Veterinary Medicine And Animal Sciences Kitasato Univer
-
工藤 上
北里大学獣医畜産学部獣医寄生虫学研究室
-
吉川 博康
北里大 獣医畜産
-
吉川 博康
北里大学獣医学部
-
吉川 堯
北里大学獣医畜産学部
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