C57BL/6Jマウスの骨格筋内に接種された狂犬病ウイルス(CVS-11株)の体内伝播と後肢麻痺に関する発病機序(病理学)
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概要
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狂犬病ウイルス(CVS-11)をC57BL/6Jマウスの脳内と後肢骨格筋に接種すると致死的な脳脊髄炎が誘導された.脳内接種群では,感染2日後に大脳皮質と海馬錐体細胞にウイルス抗原が検出され,遠心性に視床,脳幹,小脳,脊髄および脊髄神経節へとウイルス感染が拡大した.接種4日後には海馬,大脳皮質の神経細胞にアポトーシスが観察されたが,マウスは明らかな麻痺症状を示さず,接種後11日に死亡した.一方,骨格筋接種群では接種2日後に接種部位の骨格筋にウイルス抗原が検出され,接種4日後には大脳および小脳に先行して脊髄背根神経節,脊髄および脊椎周辺の筋紡錘で抗原が検出された.後肢麻痺は接種4日後に観察され,症状が経時的に顕著となり接種11から13日後に全て死亡した.後肢麻痺を示したマウスでは脊髄および脊髄背根神経節神経細胞の強い変性壊死がみられた.今回の研究により狂犬病発症マウスの麻痺症状は脊髄と脊髄神経節の神経細胞の変性壊死に深く関与すること,骨格筋で複製されたウイルスは求心性に脊髄に到達した後に大脳や小脳に先行して脊髄から遠心性に筋紡錘へ伝播することが明らかとなった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2006-06-25
著者
-
新井 智
National Institute of Infectious Disease
-
山田 章雄
国立感染研・獣医科学
-
吉川 博康
北里大学獣医畜産学部獣医病理学講座
-
小山田 敏文
北里大学獣医畜産学部獣医病理学講座
-
山田 章雄
国立感染症研究所獣医科学部
-
朴 天鎬
北里大学獣医学部獣医学科獣医病理学研究室
-
井上 智
国立感染症研究所
-
小山田 敏文
北里大学獣医学部
-
小山田 敏文
北里大学 獣医学部獣医学科
-
小山田 敏文
北里大学獣医畜産学部獣医病理学研究室
-
小山田 敏文
北里大獣医畜産獣医病理
-
小山田 敏文
北里大学 獣医病理
-
吉川 博康
北里大学獣医畜産学部
-
近藤 真理子
北里大学獣医畜産学部獣医病理学研究室
-
野口 章
国立感染症研究所獣医科学部
-
朴 天鎬
北里大学獣医学部
-
井上 智
国立感染症研究所 獣医科学部第二室
-
Yoshikawa H
Kitasato Univ. Aomori Jpn
-
小山田 敏文
Department Of Veterinary Pathology School Of Veterinary Medicine And Animal Sciences Kitasato Univer
-
山田 章雄
国立感染症研究所
-
吉川 博康
北里大 獣医畜産
-
小山田 敏文
北里大学獣医学部獣医学科獣医病理学研究室
-
朴 天鎬
北里大学獣医学獣医病理学研究室
-
吉川 博康
北里大学獣医学部
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