摂食及び摂水の中枢制御機構におけるアクチビン/インヒビンの役割

概要

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視床下部においてアクチビンおよびインヒビンが発現していることが知られている。本研究では,視床下部による摂食および摂水の制御にアクチビンとインヒビンが関与しているかどうかを検討した。まず,雄ラット視床下部におけるα,βA,βB各サブユニットmRNAの発現量に対する12時間および60時間の絶食あるいは絶水の効果を検討した。その結果,αサブユニットmRNAは絶食開始後12時間に一過的な軽度の低下が見られたが,絶水によっては変化しなかった。一方,βAサブユニットmRNAは絶食60時間で,またβBサブユニットmRNAは絶水60時間でそれぞれ増加し,アクチビンAが摂食の,アクチビンBが摂水の制御に主に関わっている可能性が考えられた。次に,第3脳室内へのアクチビンAおよびインヒビンA投与の摂食,摂水に対する効果を検討した。その結果,アクチビンAは摂食量を,インヒビンAは摂水量を主として抑制することが明らかとなり,アクチビンとインヒビンはそれぞれ独自の作用を有することが示唆された。視床下部で機能している具体的な分子種の特定にはさらなるタンパク質レベルでの解析が必要であるが,本件給の結果はアクチビンとインヒビンが摂食および摂水の中枢制御機構において重要な役割を担っていることを示唆するものである。
2003-02-25

摂食及び摂水の中枢制御機構におけるアクチビン/インヒビンの役割

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