異なる骨格筋に由来するラット筋衛星細胞の脂肪分化能(生理学)

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
骨格筋を構成する筋線維型と骨格筋内脂肪蓄積との相関が指摘されている.最近,筋衛星細胞は筋細胞だけでなく脂肪細胞にもなりうる多分化能をもつ細胞であることが示されている.本研究ではラットのヒラメ筋,背部の筋,長趾伸筋,前脛骨筋,大腿四頭筋よりそれぞれ筋衛星細胞を単離し,脂肪分化誘導培地で培養した場合のその脂肪分化能について比較を行った.オイルレッド染色,C/EBPαに対する免疫染色により脂肪分化能を評価したところ,ヒラメ筋由来の筋衛星細胞が最も高い分化能を示し,筋衛星細胞の脂肪分化能とそれが由来する骨格筋におけるI型筋線維の割合との間に正の相関が見られた.以上の結果から筋衛星細胞の脂肪分化能は骨格筋により異なっていることが明らかとなった.また,筋衛星細胞の脂肪分化能とI型筋線維の割合との間の相関は,これが遅筋における骨格筋内脂肪の生じやすさの要因となっている可能性を示すものである.
2006-05-25

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク