アオカモジグサ栄養系におけるがまの穂病の継代発病特性

概要

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アオカモジグサ栄養系におけるがまの穂病の継代発病様相を5年間にわたって観察した。アオカモジグサは秋に発芽し,翌年の初夏に出穂・結実する寒地型イネ科草である。がまの穂病の発病は出穂にやや先立って観察される。夏期には発病茎も出穂茎も枯れるが,秋に枯死茎の基部に新芽を生じて再生する多年草でもある。発病茎からの新芽を移植し,翌年のがまの穂病発病の有無を観察した。1998年に播種してから2003年まで観察を続けた結果,がまの穂病の発病様相には次の4例が認められた。1)このような選抜を行なっても発病が増えなかった例(I型), 2)ある時期に突然発病が増えた例(II型), 3)選抜によって発病しやすい個体が得られた例(III型),および4)がまの穂病発病がわい化を体なって固定した例(IV型)である。III型では不完全ながまの穂症状も認められ,子座の形成部位に変異が見られた。IV型のわい化した株に浸透性殺菌剤をかん注してフリー化を行なったところ,健全に出穂し,わい化症状も見られなくなった。がまの穂病発病の要因について考察し,次代に伝わるエンドファイトの密度によるものと考えた。
2004-06-15