(38)カモジグサがまの穂病菌とその類縁菌について
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概要
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カモジグサ(Agropyron tsukushiense=Elymus tsukushiensis)とアオカモジグサ(A.ciliare var.minus=E.racemifer)にはエンドファイトが存在し,いずれも垂直伝染する.ときにがまの穂病を発病して子座を形成するが,有性世代への移行は認められていない.アオカモジグサの子座は止葉葉鞘を取り巻いて形成されるが,カモジグサでは出穂した貧弱な穂に形成される例が多い.両者はいずれもAcremonium型分生子を形成するが,培養菌株には違いが見られ,カモジグサ菌では菌叢の中央部が陥没する.また,アオカモジグサ菌には2型が認められ,菌糸が直線的に伸長する型と波打って伸長する型とがある.これらの類縁を調べるため,カモジグサ菌2菌株,アオカモジグサ菌の直線型と波状型それぞれ2菌株を供試してβ-tubulinの遺伝子を調べ,既存のデータとともに分析したところ,これらは近縁であると考えられた.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
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