樽の成立時期と初期形態 : 桶・樽の造形文化に関する研究(4)
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概要
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本論は我が国の桶・樽文化の実体を追究する第4報であり、中世の絵画資料を通して樽の伝来期と初期形態を明らかにすることを目的とするものである。中世の文献資料、絵画資料を通して樽の出現期を考察した結果、早ければ15世紀初頭には樽が出現していることが確認された。中国大陸では北宋代に樽が成立していることから、桶に比較してかなり遅く伝来したということになる。我が国における樽の初期形態は多様で、16世紀初頭の絵画資料には現在使用される4斗樽に似たタイプ、柳樽、やや偏平な樽の3種類が認められた。こうした樽は近世の樽文化の基礎をなし、経済や生活文化の発達に大きな役割を果たした。
- 日本デザイン学会の論文
- 1997-09-30
著者
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