下水溝などに散布した Baytex 粒剤のアカイエカ幼虫に対する効力について
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概要
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1.各種形態のBaytex製剤, 特に5%Baytex粒剤をとりあげ, 川崎市, 奄美大島, 東京都内において, 下水溝や人工容器のアカイエカ幼虫に対する駆除効果, 特にその残効性について検討を加えた.2.5%Baytex粒剤の, 水量に対して2ppm(原体)にあたる量を, 下水溝に均一に散布した結果, 幼虫とサナギは2〜3日で全く姿を消した.再出現までの期間は, 若齢幼虫でおおむね15日以降, 老齢幼虫では17日以降サナギは18〜20日ないしそれ以降であつた.したがつて, 実際駆除における散布間隔は, 17日ないし20日であると考えられる.この散布間隔は, diazinon5%乳剤0.5ppm散布の場合の2倍以上である.3.水30lあるいは180l入れた人工容器に, Baytex5%粒剤2ppm(原体)を散布した場合, その効果は, 前者ではおおむね6週間, 後者では13週以上も持続した.この有効期間は, 下水溝の散布の場合よりもはるかに長く, 閉鎖小水域の蚊幼虫駆除のためのBaytex粒剤の将来の応用について, 示唆を与えた.
- 日本衛生動物学会の論文
- 1963-02-28
著者
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