薬剤によるコナダニ類駆除の研究第 3 報 : ケナガコナダニに対する fenthion, fenitrothion 処理畳シートの残効性および毒性
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概要
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ケナガコナダニを駆除する有効な手段として畳床上下表面に薬剤処理紙を縫い込む方法を提案し, これに用いる薬剤, 使用濃度および残効性, 毒性等について検討を行なつた.Fenthionおよびfenitrothionは共に1m^2当り80gを越えるクレープ紙に塗布(100ml/m^2)した場合, 0.25%以上にて有効であつた.その推定有効期間は少なくともfenthion 5%は1カ年以上, 1%は6〜8カ月, 0.25%は3〜6カ月であり, fenitrothionでは5%で7カ月以上, 1%は約4カ月, 0.25%は約2カ月であつた.マウスを用い処理直後の状態の紙に常時93日間連続接触した毒性実験の結果では, fenthion 5%, fenitrothion 25%にても過去数カ年間用いられて来た市販畳用防虫紙より低毒性であつたが, 体重増加, 餌消費量および解剖所見より確実な安全濃度はfenthion 0.5%, fenitrothion 5%以下と考えられた.残効性, 毒性の両面より, このコナダニ駆除用畳シートに処理する薬量はfenthion 0.5g/m^2, fenitrothion 1.0g/m^2が適当である.
- 日本衛生動物学会の論文
- 1971-12-20
著者
-
水谷 澄
日本環境衛生センター
-
宮本 詢子
東京大学医科学研究所寄生虫研究部
-
白坂 昭子
東京大学医科学研究所寄生虫研究部
-
宮崎 光男
中央化学株式会社研究部
-
今中 健一
中央化学株式会社研究部
-
平社 俊之助
中央化学株式会社研究部
-
保久村 俊江
中央化学株式会社研究部
-
宮崎 光男
株式会社愛研
-
白坂 昭子
アベックス産業
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