聴神経鞘腫におけるcooper, zinc-SODの発現 : 免疫組織化学的検索から

概要

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聴神経鞘腫におけるsuperoxide dismutase (SOD)の存在を細胞レベルで検討した報告は未だみられない.われわれは,ヒト聴神経鞘腫におけるcopper(Cu), zinc(Zn)-SODの局在を酵素抗体間接法で検索し,その保有率を検討した.Recklinghausen病合併症例(R-AS)3例,非合併症例(N-AS)7例を対象とした.R-ASの1例とN-ASの1例がAntoni Bを中心とする腫瘍であり,その他の4例はAntoni Aを中心とし,3例が混合型であった.聴神経鞘腫は組織学的に,純型のAntoni AやBはきわめて稀で,多くは比率が異なるものの,それらのmixed typeである.Cu, Zn-SODは組織型のいかんにかかわらず腫瘍細胞の細胞質に局在し,血管内皮細胞やマクロファージ,好中球の細胞質,および赤血球の細胞膜に認められた.その保有率についてみると,R-ASで31〜63%,N-ASは43〜60%,R-ASのAntoni A typeが37〜66%,B typeが31%,N-ASのAntoni Aが47〜60%,B typeは43〜58%であった.Cu, Zn-SODの保有率は,R-ASとN-ASとの間に統計学的な有意差は得られなかったものの,Antoni A typeに多く,Antoni B typeで少ない傾向が得られた.
日本脳神経外科コングレスの論文
1995-03-20