クサギアブラムシの生活環と雄および産雌虫の翅型について
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概要
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1. クサギアブラムシの生活環について述べたほか, 未知だったクサギアブラムシの幹母, 産雌虫, および雄・産卵雌虫などを記載し, さらに, クサギアブラムシの産雌虫, および雄の翅型について考察した.2. クサギアブラムシは一年中クサギ上で生活する, 非移住型生活環をもったアブラムシである.3. 産雌虫のほとんどの個体は短翅型であり, また, 雄では長翅型14%, 短翅型66%, 無翅型20%の割合で見られた.このことから, 両型とも飛しょうしないと考えられる.4. したがって, 産雌虫と雄はクサギ上で産出されたもので, 他の中間寄主植物から飛来したものではないことがわかる.また, クサギアブラムシは, クサギ上で生活環を全うできるため, 生態上, 両型の飛しょう活動は不必要となり, 翅は退化に向かいつつあると考えられる.
- 日本昆虫学会の論文
- 1974-06-25
著者
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