ワタアブラムシの幼虫齢期の判別
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概要
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1. ワタアブラムシの無翅および有翅胎生雌幼虫の齢期の判別, ならびに飼育温度による変異を検討し, バイオタイプの異なる幼虫における形態の変異について記述した.2. 無翅胎生雌幼虫の齢期の判別は, 1齢では触角が4節, 尾片の刺毛数が2本であることにより, 4齢では成虫において生殖板となる部分に2∿5本の縁毛があることにより可能である.また, 2, 3齢では, 体長や触角の節数, 角状管長, 尾片および尾板刺毛数などのうちの2, 3の形態的特徴を組み合わせて判定する必要がある.また, 3, 4齢の触角の節数は5または6節, 時にその中間的形態を示すため, 2∿4齢においては触角の節の数だけで区別することはできない.有翅胎生雌虫では2齢以降, 翅芽の発達程度により判別できる.3. オオイヌノフグリの無翅胎生雌幼虫において, 25℃で飼育した個体は, 15, 20℃の個体より体長や付属器官, 体の各部の刺毛の長さが減少し, 刺毛数が減る傾向が見られた.また, 3, 4齢の触角の節数は, 前者ではほとんど5節であるのに対して, 後者では6節の個体が多く見られた.4. 越冬型の異なる幼虫の形態に関しては, 無翅胎生雌虫では, 差異はほとんど見られないが, 有翅胎生雌虫では, ムクゲの個体はオオイヌノフグリの個体より, 各齢期とも体長や付属器官はやや大型で, 体の各部の刺毛の本数も多く, その長さも長い傾向が見られた.
- 日本昆虫学会の論文
- 1989-03-25
著者
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