寄主植物周囲の森林の面積と群落構造によるオオムラサキ幼虫の越冬後から羽化までの死亡率, 死亡要因の違い
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概要
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栃木県真岡市において寄主植物周囲の森林面積, 群落構造によるオオムラサキ幼虫の越冬後の死亡率, 死亡要因の違いを調査した.草地中央部(実験区A), 大面積の広葉樹林(実験区C)と, これに隣接したスギ林(実験区D)の各林縁部では, 実験的に放飼した幼虫の生存率は網掛けにより鳥を排除した木と無処理の木の間で有意な差があったが, 小面積の広葉樹林林縁部(実験区B)では差がなかった.実験区AとBでは, カラスによる幼虫の捕食を観察した時期に, 無処理木の生存率が急激に減少した.このような生存率の急激な減少はすべての実験区で確認された.しかし, 生存率の急激な減少が生じた時の幼虫の木当たり密度を実験区間で比べた結果, Bでは他の実験区よりも有意に低く, 急激な減少が生じた時期も他に比べ遅かった.この原因は, この実験区で個体数が有意に多かったアリ類による捕食と推定された.しかし, 幼虫の累積死亡率は実験区間で有意な差がなかったことから, 寄主植物周囲の森林面積・構造の違いによって越冬後のオオムラサキ幼虫の死亡要因とその過程は異なるが, 結果的に高死亡率を生じさせるような機構が備わっていると推察された.
- 日本昆虫学会の論文
- 2000-12-25
著者
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稲泉 三丸
宇都宮大学・農
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小林 隆人
宇都宮大学農学部応用昆虫学教室
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稲泉 三丸
Laboratory Of Applied Entomology Faculty Of Agriculture Utsunomiya University
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小林 隆人
宇都宮大学農学部応用昆虫学教室:(現)長坂町オオムラサキ自然公園オオムラサキセンター
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小林 隆人
宇都宮大学
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