ホトレジストの感光パラメータ(A,B,C)測定装置の開発
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概要
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ホトレジストの光学パラメータA,B,Cの概念,測定原理および測定装置の概要はDillらによって1975年に発表された.以来,パラメータA,B,Cは,ホトレジスト形状シミュレーションやホトレジストの品質管理に広く用いられている.しかし通常,専用の測定装置が用いられることはなく,分光光度計で透過率を測定することによってそれらの数値が求められている.また,Dillらは,屈折率を調整した基板を用いて測定したが,通常は測定の便宜上,石英基板が用いられることが多い.我々は,厳密にDillらに従う方法と便宜的な方法について比較したので報告する.基板にレジストを塗布して試料とする.Xe-HgからのUV光をフィルタで狭帯域化して試料に照射し,その透過率の時間的変化を測定した.得られた透過率と照射時間の関係からDillのモデルに従ってA,B,Cパラメータを算出する.一方,基板にレジストを塗布した後ステッパで露光し,分光光度計で試料の透過率を求め,透過率の露光時間に対する変化から,同様にDillモデルに従ってA,B,Cパラメータを算出し,比較した.その結果,本装置で測定したA,Bの値が分光光度計での測定値と比べて低く測定されることがわかった.これは,分光光度計との測定方法の違いによるものである.すなわち,分光光度計で求まる透過率が,Dillらの定義による透過率と異なるためであると考えられる.屈折率を調整していない基板(石英基板)を用いた場合,屈折率を調整した基板に対して,Aの値で最大5%,Bの値で最大45%の差異が発生した.これは,レジスト-基板界面および,基板裏面からの反射光による多重干渉効果によるもので,パラメータA,B,Cの測定において,この効果を低減することが測定精度の向上において重要であることが確かめられた.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-12-25
著者
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