RFバイアス印加同軸線路形マイクロ波プラズマCVDによるSiN膜の低温作製
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概要
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イオン衝撃がSiN膜の特性に及ぼす影響を検討することを目的とする.本研究では,イオン衝撃効果を検討するのに適している2重管式同軸線路形マイクロ波プラズマCVD装置を用い,基板に印加するRFバイアスを変化させて,基板に入射するイオン密度を一定にしてイオン衝撃エネルギーのみを変化させた.RFバイアスを増加させると,膜密度は増加し水素含有量は減少したが,ダングリングボンド密度は増加した.前者はイオン衝撃により成膜中の膜表面が加熱されるためであり,後者はN^+イオン衝撃によりN^+イオンが膜中に打ち込まれ結合が切られるためである・また,基板温度を比較的低温である200℃に上昇させて,かつ, RFバイアスを-175V印和して成膜を行った結果,イオン衝撃による膜表面加熱と基板加熱の重畳効果により,膜密度が39/cm^3,水素含有量が9at.%となった.更に,基板を200℃に加熱することによりN^+イオン衝撃のイオン打込みによるダングリングボンド密度の増加を抑制できた.また,本N_2/SiH_4プラズマにおいて,室温で成膜した場合に,RFバイアスが-70〜-80Vで膜表面温度が約200℃となっていることを明らかにした.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-06-25
著者
-
加藤 勇
早稲田大学理工学部電子通信学科
-
森田 義則
早稲田大学理工学部電子・情報通信学科
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中嶋 達司
早稲田大学理工学部電子通信学科
-
加藤 勇
早稲田大学理工学術院先進理工学研究科
-
加藤 勇
早稲田大学
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