クロックモデルによるディジタル回路のタイミング検証法

概要

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本論文では,以前我々が提案した多段順序回路における「ロジック」と「タイミング」の問題をタイミングの問題に限定し,信号の伝搬をタイミングベルトという概念によってモデル化することでタイミングの検証を行う手法の拡張について提案する.今回の拡張では,まず各順序回路に与えるクロックを記述するモデルを拡張し,扱えるクロック波形の自由度を高めると共に,クロック自身の遅延についても記述できるようにした.そして,そのクロックモデルからタイミングベルトを生成する方法について述べる.また,周期的なクロックだけでなくクロックの変化についても,その変化をモデル化する手法を示し,検証を可能とする.これらの拡張した手法によって得られるタイミングベルトは従来の手法で使用したものと等価であり,各順序回路の遅延要素を連続モデルで扱う手法は従来と同一であるため,タイミングの検証を高速に行えるという特徴を引き続き有する.本論文では拡張した手法を用いて試作したプログラムにより,実際の回路のチェックを行いその有効性を確認した.
1994-06-25