W-CDMAにおける下りリンク送信ダイバーシチの屋外実験結果

概要

論文の詳細を見る
W-CDMAにおける下りリンク送信ダイバーシチ方式としてPD型のSpace time transmit diversity (STTD)およびFB型のSelection transmit diversity (STD)の効果を屋外伝送実験により評価し, 次の点を明らかにした. (1)STTD法では下りリンク高速送信電力制御(TPC)を行わない場合, 移動局でのアンテナダイバーシチ受信無し(有り)のとき, 1アンテナ送信の場合に比較して平均BER=10^-3を満たす所要平均受信E_b/N_0をそれぞれ1.5(1.0)dB低減できる. しかし, 下りリンク高速TPCを行った場合には, 所要送信電力の低減効果は無い. (2)STD法では下りリンク高速TPCを行った場合, 上りリンクで伝送されるアンテナ選択(AS)コマンドビットに誤りの無い状態では1アンテナ送信に比較して平均BER=10^<-3>を満たす送信電力を約2-3dB低減できる. しかし, 実際に上りリンク高速TPCを行った場合には, 上りリンクで伝送されるASコマンドビットに誤りが生じ送信電力の低減効果は殆ど無い. 以上よりSTTDは下りリンク高速TPCを行わない共通制御チャネルへの適用が適している. また, STDを下りリンク高速TPCを行う通信チャネルへ適用するためには, 送信アンテナの選択誤りを低減するためにASコマンドビットを高品質化することが必要である.
1999-08-27