DS-CDMAコヒーレントマルチステージ干渉キャンセラの適応送信電力制御を用いた場合の伝送実験特性

概要

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本報告ではDS-CDMAコヒーレントマルチステージ干渉キャンセラのSIR測定に基づく適応送信電力制御(TPC)を行った場合の室内伝送実験による特性評価結果について述べた.試作した実験装置は時間多重されたパイロットシンボルを用いて各ステージ毎に逐次的にチャネル推定を行う帯域拡大率(SF)16の硬判定マルチステージ干渉キャンセラ(PSA-COMSIC)であり, 適応TPCのためのSIR測定はTPC遅延を短縮するためにマットフィルタ受信出力で行い, PSA-COMSICの最終段でのフレーム誤り率により目標SIRを補正するアウターループ機能を有する.実験結果より, ユーザ数K=8(7干渉ユーザ)のとき, アンテナダイバーシチ有り(無し)の場合において, PSA-COMSICを用いたときの平均BER=10^-3を満たす所要Eb/10をMF受信に比較して約0.5(1.0)dB低減でき, 移動局の送信電力を約2.0(3.0)dB低減できることを示した.また, アウタループを用いる適応TPCでは, 内ループおよびアウターループのステップサイズをそれぞれ△in=1.0dB, △out=0.5dBにしたときに最も良好な特性が得られ, K=6のときMSの送信電力をMF受信に比較して約1.0dB低減できることを示した.
1998-07-25