W-CDMA上りリンクにおけるアンテナブランチ数に対する適応アンテナアレイダイバーシチ受信特性の実験的検討

概要

論文の詳細を見る
W-CDMA上りリンクにおけるコヒーレント適応アンテナアレイダイバーシチ受信において, 干渉ユーザ数およびアンテナ数を変化させた場合の特性について暗室内の無線伝送実験により評価を行った. アレイの自由度が干渉ユーザ数より大きい場合には干渉ユーザ方向に対し常にヌルビームが形成されるため, アレイ数を増加させても特性改善効果は少ないものの, 干渉波到来方向と希望波到来方向が近接する場合においてBER特性を大幅に改善出来ることを実験的に検証した. また, 干渉ユーザ数がアレイの自由度を上回る場合においては, アンテナ数の増加に伴い生成パターンの自由度が増大する効果が干渉抑圧特性に大きく影響し, 特に高速データ伝送を行う高送信電力ユーザが存在する場合においてはアンテナ数の増加によるBER特性の改善がアレイの自由度が干渉ユーザ数より大きい場合と比較して大きいことがわかった. 7ユーザ(6干渉ユーザ), 6アンテナ受信の場合, 平均受信SIR=-15dBにおいて2アンテナ受信と比較して希望波到来方向が±30゜の範囲で2桁以上BER特性を改善できることを示した.
社団法人電子情報通信学会の論文
1999-07-23