顔画像解析による精神分裂病の自動診断

概要

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現在, 精神疾患診断には, 定量的・客観的な情報・指標がなく, これが早期発見, 予防の障害となっている.本研究は, この課題に対して解決を図るものであり, 精神疾患診断の定量化技術の確立と, その実用化を行う.小林らは, 既に開発した診断システムを用いて, 1.顔の向きと瞳の動き, 2.顔の水平方向の動きと瞳の動き, 3.顔の向きと顔の水平方向の動き, に関して, 健常者と入院患者では動きの相関に違いがあることを示した.ところで, うつ病や精神分裂病などの潜在的な患者の多さを考慮すると, 発病する可能性のある健常者, いわゆるボーダーの人を探し出すことが必要であると考えられる.そこで本研究では, 既に開発した自動問診システム, 及び, 顔輪郭抽出方法に改良を加えて精度を上げ, 健常者と思われる人を対象に, 調査票による心理検査で計測できる精神状態と, 本システムによる診断結果とを比較することで, 疾患の可能性があると思われる人を抽出できるかを模索する.
社団法人電子情報通信学会の論文
2001-09-28