PDF電子カタログを用いた回路設計支援システムの研究

概要

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現在用いられているEDA(Electronic Design Automation)システムの多くは、回路や素子を表現するのに、製品毎に固有のデータ形式を採用している。しかし、複数の異なるシステムにまたがったテータ処理の重要性が増してきいるため、共通のデータ形式の規格作りも現在進行中である[1]。素子や回路のカタログそのものを電子化すれば、従来は煩雑な手作業が要求されたデータの入力作業を大幅に軽減することができる。本稿では、プラットフォームに依存しない記述が可能なPDF(Portable Document Format) [2] に着目し、PDFを利用した電子カタログの作成および回路設計支援システムの構築について論じる。PDFはポータビリテイーに優れ、テキスト、イメージのみならず、ユーザの定義した任意の構成要素を文書に埋めこむ拡張機能や、HTMLに類似したhyperlink機能が備わっている。PDFのユーザ定義データとして素子や回路を記述することにより、設計者はネットワークを介してEDAシステムに素子・回路データを直接取り込むことができる。またオプジェクト指向に基づいたデータ記述を採用し、設計者の多様な要求に柔軟に対応できるシステムの構築を目指す。
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-03-06