無響水槽中の音響伝搬特性

概要

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本校が所在する長崎県は,長い海岸線と広い大陸棚に豊かな漁業資源を有し,古くから造船業や水産業等の海洋産業が盛んな県として位置付けられている.近年,本県及び県内の各地方自治体は,この海洋産業を更に活性化することを目的として,海洋開発に関する新たな研究組織を創設し,海洋技術の振興に取り組んでいる.このような地理的及び社会的背景の中で,本校に対しても海洋関連機器の研究開発を行うための設備の設置が求められ,その一環として平成6年3月,大型無響水槽が設置された.一般に,海水中での計測や遠隔制御には超音波が使用される.超音波を利用した(海洋関連)機器の実験を浅海や湖沼,通常のプール等で行うと,水面や水底からの反射波による妨害を受けるため,精密な超音波の伝搬特性測定や,開発された機器の性能試験等を安定して行うことができない.よって,水中における超音波を利用した機器の研究開発には,各方向からの反射波を十分に抑えた無響水槽が必要となる.本稿では無響水槽の条件である(1)音源から放射される音波が壁面の吸音材で十分に吸収され,反射波が無視でき,逆2乗則が成り立つこと,(2)周囲からの雑音の影響を受けないこと,を本校の無響水槽がどの程度満足しているかを調査,検討するために,水槽内の音圧レベルの減衰特性及び吸音材の反射特性を測定し,検討を行っている.
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-03-11

無響水槽中の音響伝搬特性

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