ランダム対称結合を持つ神経回路網の平衡状態の数
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概要
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個々の素子間の結合係数が,対称性を満たしながら,独立で同一の確率分布にしたがうランダム対称結合回路において,素子の閾値の変化(ただし全ての素子の閾値は等しいとする)にしたがって,平衡状態の数,平衡状態の活動度,の分布がどのように変化するか,確率的に考察する.その結果,ある特定の閾値をもつ回路の平衡状態は特定の活動度の状態に集中する,ことが示せる.個々の素子が0,1をとるモデルの場合は,1)活動度32%の状態が平衡状態になるように閾値を設定した場合に,平衡状態数の期待値が最大になる,2)閾値をある値より大きくすると,全ての素子の出力が0の状態が,回路に存在する唯一の平衡状態になる,ことが示せる.ランダム対称結合回路を記憶システムの一つのモジュールとして適用する方法について,最後に議論する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1995-06-30
著者
-
倉田 耕治
大阪大学基礎工学部生物工学科
-
甘利 俊一
東京大学工学部
-
伊達 章
宮崎大学工学部情報システム工学科
-
伊達 章
東京農工大学大学院工学研究科電子情報工学専攻
-
甘利 俊一
東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻:理化学研究所国際フロンティア研究システム情報処理研究グループ
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