視覚認識におけるあいまい性の除去について : 木型マルコフ確率場によるモデル化(バイオサイバネティックス,ニューロコンピューティング)
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概要
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眼に映る画像を局所的に見るとその解釈はあいまいであるが,画像全体としての解釈があいまいであることはない.これは外界のモデルを人間が学習により獲得しており,それをもとに,もっともらしい解釈づけを行っているからである.これは,脳内の視覚情報処理において,視覚入力から前向きのみならず逆向性の信号が重要な役割を果たしていると考えられている理由でもある.本論文では,あいまい性を保ちながら前向き処理を進め,逆向きの処理であいまい性を解消するモデルを提案する.モデルとして,階層的な知識構造を表現できる木型マルコフ確率場を用い,単純に結合した領域のモデル化を行った.モデルの性質を画像修復の問題を通して調べ,1)各素子は局所的にしか結合していないが大域的な関係をモデル化できること,2)逆向性信号の破壊によりモデルの性能が低下すること,などを示し,視覚認識における部分-全体関係,前向き・逆向性信号の役割に対する理解の具体例を示す.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2004-08-01
著者
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