階層型プラン認識モデルを利用した次発話予測手法 : 話し手の意図を表す表現についての音声認識結果あいまい性の解消
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概要
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本論文では,音声言語処理システムにおける音声認識候補のあいまい性削減のための文脈情報予測手法について述べる.現在の音声認識技術では,完全な音声認識を行うことは不可能であり,多くの場合複数のあいまいな候補を残す.一方,言語処理技術は誤りのない入力を仮定しており,複数候補の入力はその処理効率を落とすことになる.特に,話し言葉に特有な発話意図を表す文末表現や対話で慣習的に使われる断片的な表現のあいまいさは,対話翻訳において重要な役割を果たすにもかかわらず,従来の技術では扱われていなかった.本論文では,まず話題に関する知識に加え対話運用の知識に応じた階層型のプラン認識により対話理解を行い,その理解状態をスタックにより管理する.そしてそのスタックを参照することにより,次発話に関する抽象的な文脈情報を得る手法を提示する.更に,その文脈情報を基に,音声認識表現候補を選択する手法を示す.最後に,発話意図に関する語用論的知識の設定を行い,実験により本論文で提示する手法の発話意図に関する表現のあいまい性削減への有効性を示す.
- 1993-06-25
著者
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飯田 仁
Atr 自動通訳電話研究所
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山岡 孝行
(株)ATR自動翻訳電話研究所(三菱電機株式会社中央研究所)
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飯田 仁
(株)ATR自動翻訳電話研究所((株)ATR音声翻訳通信研究所)
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飯田 仁
(株)ATR
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