文脈情報を利用した次発話内の名詞句表現の絞り込み手法
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概要
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自動翻訳電話などの音声言語処理システム実現において、言語解析の効率化のために音声認識結果の暖昧さを削減するという問題がある。我々は、この問題に対して、文脈を考慮した絞り込み手法の枠組を提案したそして、対象対話における表現の分類から、話者の意図を表す表現に対する知識記述の枠組を提示した本稿では、発話の命題内容を構成する要素、特に名詞句に焦点を当て、その絞り込み手法を示す。一般に、ある概念を表すための言語表現は多様である。ここでは、その表現の多様性と概念の対応付けのために、名詞句の集合としての同一性の考えを導入する。また、対話における言語表現は、概念に対する話者の信念同様、対話参加者を取り巻く様々な状況・前文脈によっても変化する。これら状況・文脈による名詞句表層表現の変化の分析結果と、集合としての同一性の考え方にしたがった名詞句の知識ベースを構築する。そして、この知識ベースを利用して、予測された文脈情報から名詞句表層表現の候補を限定することにより、入力発話中の名詞句表現の絞り込みを行なう。さらに、集合としての同一性の考え方から、発話認識・予測双方向に有効なプラン記述方法について言及する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-02-25
著者
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飯田 仁
Atr 自動通訳電話研究所
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飯田 仁
ATR自動翻訳電話研究所言語処理研究室
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山岡 孝行
(株)ATR自動翻訳電話研究所(三菱電機株式会社中央研究所)
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山岡 孝行
ATR自動翻訳電話研究所
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有田 英
三菱電機株式会社
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