カーボンナノチューブのナノエレクトロニクスへの応用
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概要
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カーボンナノチューブはさまざまの方面への応用が試みられ、その有用性の認識が高まつて来つつある。ここではカーボンナノチューブをナノエレクトロニクスへ応用した手法について述べる。先端を尖らせたシリコンチップに、鉄やクロムを含む溶液状の触媒を塗布し、これを高温の熱 CVD 炉の中に入れてメタンガスを流入すると、触媒を核にして直径1〜2nmの単層カーボンナノチューブが成長し、シリコンチップ先端から飛び出した形で成長を終える。この単層カーボンナノチューブを原子間力顕微鏡の超微細カンチレバーとして用いると、従来のシリコンカンチレバーに比較して一桁以上、曲率半径が小さくなるため、原子間力顕微鏡の分解能を向上させることができる。原子間力顕微鏡のカンチレバーを極微紬カソードとして金属表面を陽極酸化させ、微細加工を行う際、従来のカンチレバーでは、20nm 幅の細線を形成するのが限界であったが、本単層カーボンナノチューブカンチレバ一では、幅 5nm の微細加工が可能になった。これをトンネル接合として、用いた単一電子トランジスタでは従来の単一電子トランジスタのドレイン電流よりも2桁電流を増大させることが可能になった。シリコンチップ先端に成長したカーボンナノチューブを極微細エミッタとして用いると、従来のシリコンエミッタと比較して先端のサイズが1桁以上細いために電界集中が大きくなり、1/10〜1/50以下の10Vで電子の放出が可能になった。これは将来の極低消費電力フラットパネルディスプレーに応用できる可能性がある。本稿では、以上のカーボンナノチューブのナノエレクトロニクスへの応用について述べる。
- 2001-03-05
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