加算器を用いた非線形コンバイナ型擬似乱数生成器に関する一考察

概要

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擬似乱数を平文に加算することにより暗号化, 復号化を行うストリーム暗号は, ブロック暗号に比較して, 回路が簡単で高速動作可能であり, 広く用いられている. 安全性は擬似乱数生成器の安全性に依存しており, 現在までに安全性を高めるために様々な工夫のなされた擬似乱数生成器が提案されている. しかし, それらの多くは擬似乱数出力が単ービットであることが多く, 多ビット出力を得るためにはバッファ等が必要となる. そこで, 本稿では, 加算器型擬似乱数生成器を変形し簡単な回路で多ビット出力を得られるようにした方式を提案する. そして, 線形複雑度, 統計的性質, 入出力間の相互情報量を用いて安全性の評価を行う. その結果, 線形複雑度は理論的上限にほぼ近い値をとること, 入出力間の相互情報量も小さいことが明らかとなった. また出力ビットの相互相関に関しても非常に小さな値しか得られなかったため, 出力系列を同時に利用しても安全性に問題はないと結論された.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-07-18