視覚誘導自己回転感覚のもとでのサッカードの偏り
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概要
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観察者を中心にして周囲世界が左右一方向に回転すると, 静止した世界で自分が逆方向に回転しているような自己回転感覚(CV)をもつ.一般に自己運動の最中は周辺物体に対する動きの知覚のしきい値が上昇するが, CVのもとでも運動検出時間の増大が報告されている.これらは運動と知覚が互いに干渉することを示している.本論文ではCV下で視覚目標に導かれた運動の観察という手法で間接的に空間知覚ないし運動制御を調べた.ジャンプした視標を追跡する眼球運動サッカードの振幅を調べたところ, CVと同方向に視標がジャンプしたときのサッカードの振幅はコントロールと統計的に差異がないが, CVと逆方向に視標がジャンプしたとき, サッカードは平均で約11%の有意な振幅減少を示した.この要因として, CVによる前庭神経核の活性化とサッカード系の干渉, ゲイズサッカードの適応などの可能性が考えられる.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2001-03-01
著者
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