形状錯視の到達把持運動への影響
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概要
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視覚系には2つの処理の流れ, 物体視と空間視の系があるという説があるが, それを更に進めて, 意識に上る知覚と運動のガイドは異なる径路で処理されているという仮説がある. Aglioti(1995)らは手で物を掴もうとするときに, 掴みの開き調節に大きさ錯視の影響は現れないという実験結果を得て, この仮説を支持した. しかしながら, 彼らの実験方法には, 大きさ比較時と選択後の注視時で, 錯視量が同一であるという疑わしい前提がある. 追実験を行ったところ, まず被験者によるデータのばらつきが大きく, 彼らの方法によっても錯視の影響の有無は断定できないこと, また前述の錯視量の取扱はやはり誤っていることなどを見出し, 掴みは錯視の影響を受けているという結論を得た.
- 2001-03-14
著者
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雨海 明博
科学技術振興事業団
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藤田 昌彦
法政大学工学部経営工学科
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藤田 昌彦
法政大学 工学部 経営工学科 人間情報研究室
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植栗 寛達
法政大学 工学部 経営工学科 人間情報研究室
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鈴木 淳
法政大学 工学部 経営工学科 人間情報研究室
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中馬 俊比古
法政大学 工学部 経営工学科 人間情報研究室
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藤田 昌彦
通総研
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雨海 明博
科学技術振興事業団戦略的基礎研究推進事業
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