薄層スライスのCTを用いた肺野小型病変の辺縁の性状所見の再検討 : 病理組織所見との対比から

元データ 1993-10-20 日本肺癌学会

概要

肺野小型病変の質的診断を向上させるために,2mm幅の高分解能条件を用いた薄層スライスCT(thin-slice CT)で解析した病変の辺縁の性状所見が,どの程度質的診断に寄与するかどうかを再検討した.対象は最近6ヵ月間にthin-sliceCTが撮影された症例の中で,病理学的な確定診断がついた径30mm以下の肺野小型病変41例である.内訳は肺癌20例,非癌性病変21例であり,CT画像の描出条件はWL-600,WW1900に統一した.肺野小型病変において,CT画像は充実型と低濃度型の2型に大別が可能であり,充実型の肺癌におけるspiculaは非癌性病変に比較して特徴的な所見で,notchingなどの他の所見と合わせて診断することにより,肺癌と非癌性病変の鑑別が可能であった.一方,低濃度型ではspiculaは肺癌および非癌性病変のいずれにも認められ,肺癌の特徴的な所見とはいえなかった.以上より,肺野小型病変の質的診断のなかで,thin-sliceCT画像を用いた辺縁の性状の解析が,肺癌例と非癌性病変との鑑別の一助となることが示唆された.今後さらに肺野小型病変のCT画像での質的診断の確立のためには,症例の集積と切除例でのprospectiveな検討が必要であると考えられた.

著者

野田 和正 神奈川県立がんセンター呼吸器内科
野田 和正 神奈川県立がんセンター
山田 耕三 神奈川県立がんセンター 呼吸器科
石橋 信 神奈川県立がんセンター外科第1科
野村 郁男 神奈川県立がんセンター内科第3科
亀田 陽一 神奈川県立がんセンター検査第1科
林 康史 神奈川県立がんセンター外科第1科
林 康史 横浜市立大学医学部外科学第1講座
吉岡 照晃 神奈川県立がんセンター内科
細田 裕 神奈川県立がんセンター外科
細田 裕 東京共済病院呼吸器外科
松村 正典 神奈川県立がんセンター内科第3科
山田 耕三 神奈川県立がんセンター
亀田 陽一 神奈川県立がんセンター
吉岡 照晃 神奈川県立がんセンター内科第3科
石橋 信 神奈川県立がんセンター
野村 郁男 神奈川県立がんセンター ・ 呼吸器科

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