原発性肺癌に対する気管支形成術の検討 : 管状切除と楔状切除の比較

概要

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気管支形成術を併用した肺癌34例を対象とし, 主として術式別に手術成績を検討した。管状切除は11例, 楔状切除は23例であり, 部位としては右上葉が68%と多数を占めた。在院死は管状切除の1例(2.9%)に認められた。術後合併症は15%に認められたが, 術式で差はなく, 重篤な合併症である気管支瘻は認められなかった。晩期合併症である吻合部狭窄は管状切除の1例のみで, 楔状切除には認められなかった。全体の5生率は46%であり, リンパ節転移別の5生率ではN0 74%, N1 50%, N2 27%で, N0とN1, N2に有意差が認められた。術式別では管状切除が5生率45%, 楔状切除が49%で有意差は認められなかった。右上葉切除の%VCの術前後の変動では, 管状切除が15%, 楔状切除が16%の減少で差はなく, FEV_<1.0%>の変動においても楔状切除は1.6%の減少にとどまっていた。楔状切除は予後や, 術後肺機能において有用な術式と考えられた。
日本呼吸器内視鏡学会の論文
2000-05-25