絶対音感保持者の音高知覚特性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
音高知覚には基底膜振動のピーク位置(場所情報)と聴神経の発火の周期性(時間情報)の両方の情報が関わっている。音楽経験や絶対音感の有無によってこれらの情報の利用に違いが見られるかを場所情報と時間情報を独立に操作した刺激を用いて検討した。主に場所情報により音高知覚が生じ時間情報はあいまいである刺激として狭帯域雑音, 時間情報のみ利用可能な刺激として反復リプル雑音, 両情報が利用可能な刺激として純音を用いた。実験の結果, クロマの同定には時間情報, ハイトの同定には場所情報が主要な役割を果たしていることが示された。また, 絶対音感保持者は時間情報を有効に利用して音名の同定を行っていることが明らかになった。
- 社団法人日本音響学会の論文
- 2001-12-01
著者
-
柏野 牧夫
日本電信電話(株)nttコミュニケーション科学基礎研究所:科学技術振興機構erato下條潜在脳機能プロジェクト:東京工業大学大学院総合理工学研究科
-
柏野 牧夫
日本電信電話(株)
-
藤崎 和香
独立行政法人 産業技術総合研究所
-
藤崎 和香
お茶の水女子大学人間文化研究科
-
藤崎 和香
産総研
関連論文
- 脳における感覚情報の時間的符号化(聴覚と脳)
- 聞こえの変化に気づくときの脳内メカニズム(聴覚・音声/一般)
- 多チャンネル微小電極を有するマイクロダイアリシスプローブの開発
- 連続聴錯覚に潜在的学習が及ぼす効果
- 連続聴錯覚における不規則な妨害音の効果(一般セッション(1),「手」,「感性情報処理」及びヒューマン情報処理一般)
- 多チャンネル微小電極を有するマイクロダイアリシスプローブの開発
- 聴覚/音声研究のための機能的MRIの新手法(人間の音声情報処理機構の解明に向けて)
- 両耳間位相差に対する下丘神経細胞の時間的反応特性
- 頭部回転運動の種類が音像定位の精度に及ぼす影響
- 聴覚系における速度残効
- 頭外音像定位における自発的な頭部回転の影響
- 視覚フラッシュが連続聴錯覚に及ぼす効果(日本基礎心理学会第23回大会,大会発表要旨)
- 容易かつ廉価な多チャンネル柔軟神経電極の作製法の開発(生体医工学シンポジウム2008)
- 下丘神経の両耳間位相差(IPD)反応特性 : 先行音IPDへの依存性
- 聴覚情景分析の脳内メカニズム
- BT-2-4 聴覚と情動の認知神経科学(BT-2.新しいコミュニケーション品質とその評価技術,チュートリアルセッション,ソサイエティ企画)
- 絶対音感と相対音感の保持が音楽活動に与える影響
- 「Piled Higher and Deeper:A Graduate Student Comic Strip Collection」, Jorge Cham著, Piled Higher&Deeper Pub., 2002年(私のすすめるこの一冊,コーヒーブレーク)
- 絶対音感と事象関連電位--P300成分の振幅,潜時,分布についての検討
- 異種感覚モダリティ間の同期知覚(感覚間相互作用研究の現在とこれから,2008年度第1回フォーラム)
- 時間的同期にもとづく感覚属性のバインディング
- 順応現象を用いた視聴覚間の同時性を判断するメカニズムの検討
- Q&Aコーナー(コーヒーブレーク)
- スピーチ・コードを解読する : 乳児はどのように言語を学習するか
- ハイト判断における絶対音感保持者の場所情報, 時間情報の利用特性
- 絶対音感保持者の音高知覚特性
- ピッチ知覚における絶対音感保持者の場所情報, 時間情報の利用
- 1.聴覚研究の20世紀 : 聴覚分野(〈特集〉-音響学における20世紀の成果と21世紀に残された課題-)
- 絶対音感保持者のピッチ知覚特性
- 絶対音感保持者の基礎的聴覚能力
- 2音の時間順序判断における後続音の効果
- 「スピーチ・チェイン」と脳(音声研究会400回記念特別講演会)
- 衝動性の基盤となるヒト前頭前野に及ぼすCOMT Val 158 Met 遺伝子多型の影響
- 音韻修復 : 消えた音声を修復する脳(音と映像で体験できる聴覚の不思議な世界)
- 錯覚からみた聴覚の「賢さ」
- 時空間知覚のダイナミクス
- Q&Aコーナー(コーヒーブレーク)
- 小特集「発話と知覚の相互作用」にあたって(発話と知覚の相互作用)
- 計算論の陥穽 : 生態学的計算論に向けて
- OE4-1 脳から臨場感通信へ : タイミングの知覚メカニズム(五感研究の最前線とそのインタフェースへの応用,学術系企画)
- 「なぜ耳は二つあるか?」小特集にあたって(なぜ耳は二つあるか?)
- 音を聴く仕組み (特集 人間情報科学が切り拓くコミュニケーションの未来)
- 事象のタイミング知覚 - 脳から臨場感通信へ -
- 聴覚情報処理のフロンティア研究と情報通信技術への応用[II] : 視聴覚の情報統合と同時性知覚
- BP-3-6 潜在脳機能研究からの示唆(BP-3. Beyond QoS/QoE-コミュニケーション品質の新たな概念的枠組みに向けて-,パネルセッション,ソサイエティ企画)
- 音声コミュニケーションにおける感覚・運動・情動の相互作用(ワークショップ:脳・生理計測によるコミュニケーション研究)
- 音声知覚の運動理論をめぐってて(人間の音声情報処理機構の解明に向けて)
- 特集「知覚・認知・行為における多感覚統合」の企画にあたって
- 1-4 聴覚情景分析の脳内メカニズム(1.人間を科学する,人間を理解するためのICT技術-人間を対象としたセンシング・情報処理からその応用まで-)
- 音のリアリティ : 脳と身体のメカニズム
- 音脈分凝のリセットに及ぼす自己運動の影響(日本基礎心理学会第30回大会,大会発表要旨)
- 容易かつ廉価な多チャンネル柔軟神経電極の作製法の開発
- 運動理論からみた知覚とコミュニケーション(招待講演,オーガナイズドセッション「音声知覚生成インタラクション・音声認識合成統合技術」,音声知覚生成/聴覚コミュニケーション,一般)
- 音響テレプレゼンスロボットの聴覚実験における有用性