連続聴錯覚における不規則な妨害音の効果(一般セッション(1),「手」,「感性情報処理」及びヒューマン情報処理一般)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では二つの実験を行い、妨害音の提示タイミングの不規則性が連続聴錯覚に及ぼす効果について検討した。二つの実験を通じ、被誘導音として500Hzの純音を、誘導音として中心周波数500Hz、帯域幅1/3 octaveの雑音を用いた。誘導音の音圧レベルを60dB SPLに保ちつつ、被誘導音の音圧レベルは聴取者の反応によって変化させた。条件として誘導音間の時間間隔が常に一定の条件(regular条件)と、不規則に変化する条件(irregular条件)の2条件を設定した。実験1では、被誘導音が連続して知覚される最大の音圧レベル(連続聴限界)を各条件で測定した。その結果、regular条件に比べてirregular条件の方が連続聴限界が高かった。実験2では、物理的に連続する誘導音と知覚的に連続する誘導音との弁別閾を各条件で測定した。その結果、irregular条件の方が閾値が高かった。これらの結果は、誘導音が不規則に提示された場合には連続聴錯覚が成立しやすくなることを示している。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2006-11-30
著者
-
柏野 牧夫
日本電信電話(株)NTTコミュニケーション科学基礎研究所
-
小林 まおり
立教大学大学院現代心理学研究科:日本電信電話(株)nttコミュニケーション科学基礎研究所
-
柏野 牧夫
日本電信電話(株)
-
柏野 牧夫
Ntt
-
柏野 牧夫
日本電信電話株式会社nttコミュニケーション科学基礎研究所:jst Erato下條潜在脳機能プロジェクト潜在聴覚処理研究グループ:東京工業大学大学院総合理工学研究科物理情報システム専攻
関連論文
- 聞こえの変化に気づくときの脳内メカニズム(聴覚・音声/一般)
- 第1部-分野別の流れ- 聴覚分野
- 多チャンネル微小電極を有するマイクロダイアリシスプローブの開発
- 連続聴錯覚に潜在的学習が及ぼす効果
- 連続聴錯覚における不規則な妨害音の効果(一般セッション(1),「手」,「感性情報処理」及びヒューマン情報処理一般)
- 多チャンネル微小電極を有するマイクロダイアリシスプローブの開発
- 聞こえの変化に気づくときの脳内メカニズム
- 聴覚/音声研究のための機能的MRIの新手法(人間の音声情報処理機構の解明に向けて)
- 両耳間位相差に対する下丘神経細胞の時間的反応特性
- 頭部回転運動の種類が音像定位の精度に及ぼす影響
- 聴覚系における速度残効
- 頭外音像定位における自発的な頭部回転の影響
- 視覚フラッシュが連続聴錯覚に及ぼす効果(日本基礎心理学会第23回大会,大会発表要旨)
- 容易かつ廉価な多チャンネル柔軟神経電極の作製法の開発(生体医工学シンポジウム2008)
- 下丘神経の両耳間位相差(IPD)反応特性 : 先行音IPDへの依存性
- 聴覚情景分析の脳内メカニズム
- BT-2-4 聴覚と情動の認知神経科学(BT-2.新しいコミュニケーション品質とその評価技術,チュートリアルセッション,ソサイエティ企画)
- ヨーロッパ音響学連合・米国音響学会合同会議
- 振幅変調音に対する順応の選択性(C-02)
- 順応現象を用いた視聴覚間の同時性を判断するメカニズムの検討
- 招待講演 音の知覚的体制化に関与する脳内ネットワーク--音脈分凝と反復単語変形錯覚
- スピーチ・コードを解読する : 乳児はどのように言語を学習するか
- ハイト判断における絶対音感保持者の場所情報, 時間情報の利用特性
- 絶対音感保持者の音高知覚特性
- 1.聴覚研究の20世紀 : 聴覚分野(〈特集〉-音響学における20世紀の成果と21世紀に残された課題-)
- 2音の時間順序判断における後続音の効果
- 「スピーチ・チェイン」と脳(音声研究会400回記念特別講演会)
- 衝動性の基盤となるヒト前頭前野に及ぼすCOMT Val 158 Met 遺伝子多型の影響
- 音韻修復 : 消えた音声を修復する脳(音と映像で体験できる聴覚の不思議な世界)
- 錯覚からみた聴覚の「賢さ」
- 時空間知覚のダイナミクス
- Q&Aコーナー(コーヒーブレーク)
- 小特集「発話と知覚の相互作用」にあたって(発話と知覚の相互作用)
- 計算論の陥穽 : 生態学的計算論に向けて
- OE4-1 脳から臨場感通信へ : タイミングの知覚メカニズム(五感研究の最前線とそのインタフェースへの応用,学術系企画)
- 「なぜ耳は二つあるか?」小特集にあたって(なぜ耳は二つあるか?)
- 音を聴く仕組み (特集 人間情報科学が切り拓くコミュニケーションの未来)
- 事象のタイミング知覚 - 脳から臨場感通信へ -
- 「聴覚と脳」小特集にあたって(聴覚と脳)
- 耳がよいとはどういうことか?--聴覚の多様性と可塑性 (特集論文 ヒューマノイド・テクノロジー&サイエンス研究)
- BP-3-6 潜在脳機能研究からの示唆(BP-3. Beyond QoS/QoE-コミュニケーション品質の新たな概念的枠組みに向けて-,パネルセッション,ソサイエティ企画)
- 音声コミュニケーションにおける感覚・運動・情動の相互作用(ワークショップ:脳・生理計測によるコミュニケーション研究)
- 音声知覚の運動理論をめぐってて(人間の音声情報処理機構の解明に向けて)
- 特集「知覚・認知・行為における多感覚統合」の企画にあたって
- 1-4 聴覚情景分析の脳内メカニズム(1.人間を科学する,人間を理解するためのICT技術-人間を対象としたセンシング・情報処理からその応用まで-)
- 音のリアリティ : 脳と身体のメカニズム
- 音脈分凝のリセットに及ぼす自己運動の影響(日本基礎心理学会第30回大会,大会発表要旨)
- 容易かつ廉価な多チャンネル柔軟神経電極の作製法の開発
- 運動理論からみた知覚とコミュニケーション(招待講演,オーガナイズドセッション「音声知覚生成インタラクション・音声認識合成統合技術」,音声知覚生成/聴覚コミュニケーション,一般)
- 音響テレプレゼンスロボットの聴覚実験における有用性